ラリックのクリスタル アーキテクチャ コレクションは、2014年以来、建築界の優れた創造力による独創的なコンセプトを結集させています。この度、ブラジル系フランス人建築家であるエリザベート・ド・ポルザンパルク氏を迎え、示唆に富む新たなビジョンを展開します。
同氏は2018年ニームの中心部にあるロマニテ博物館を竣工させました。彼女の代表作でもあるこの文化施設の外壁は、銀色の反射光や、透明と不透明との相互作用によって、ルネ・ラリックの作品への直接的なオマージュとなっています。
彼女にとって、その輝き、線、輪郭、動きを備えた《タンドリラ》は、社会学、生態学、持続可能性など常に彼女にインスピレーションを与えてきた価値観を集中的に表現しています。エリザベート・ド・ポルザンパルク氏の想像力とラリックの専門技術の出会いによって生まれた《タンドリラ》は、クリスタル アーキテクチャ コレクションの新しい冒険の結晶です。
architecture of links(繋がりの中の建築)を指針とした、エリザベート・ド・ポルザンパルク氏の30年以上に及ぶ仕事には、常に持続可能性の哲学が浸透しています。その経験の蒸留であるこの度のコラボレーションに際して、彼女がラリックに語った大望は、「境界なき芸術のヴィジョン」でした。
《タンドリラ》その音の響きは、フランス語のtendresse(優しさ)、イタリア語のtenerezza(優しさ)に表されるように共通の言語ルーツを持ち、人々に共通のイメージを想起させます。それは私たちに内在する集合的な創造性の中で、ユートピアを暗示させます。そのユートピアは、豊かで素晴らしい土地に根ざしており、類まれな静寂と平穏がある場所です。その自然は手つかずで、その文明は進歩へと努力を重ねています。
緩やかな起伏、ツイスト、上昇。すべてが軽やかな状態。彼女が建築、デザイン、都市計画の領域で長年にわたって行ってきた試みの結実である《タンドリラ》は、軽快さの極致です。
ラリックの伝統技術を擁する職人にとっても、アーティストが望んだように、非常に細かく、強い輪郭を持つツイスト形状に合致する鋳型をデザインすることは挑戦でした。この複雑さを克服し、完璧なインプリントを作るために、ラリックの職人は、数週間かけてスチール製の特殊な鋳型を開発しました。
職人たちは、アーティストの意図を忠実に再現するために、細心の注意を払っています。ラリックでは常に、透明度や研磨の仕方などをアーティストと相談しながら、最終段階においても職人が手作業で作品を仕上げます。
フランスの建築家・都市計画家。代表作はニーム市ロマニテ博物館。architecture of links(繋がりの中の建築)を指針にしている。夫は建築家のクリスチャン・ド・ポルザンパルク氏(1994年フランス人として初めてプリツカー賞を受賞、2018年高松宮殿下記念世界文化賞を受賞)。代表作はシテ・ド・ラ・ミュージック パリで知られる。